喫煙はニキビの原因となるか?肌を老化させるタバコ
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ニキビの原因
喫煙が、ガンやその他多くの病気の原因となることは周知の通りです。しかし喫煙はニキビの原因ともなるのでしょうか?残念なことに、その答えはイエスともノーとも言い切れないようです。
喫煙とニキビに関連性があると結論づける研究もあれば、そうでないと結論する研究もあります。ただひとつ言えるのは、喫煙習慣がニキビに好影響を与えることはありえません。これもまた禁煙をする理由のひとつとならないでしょうか。
ニキビと喫煙の関係。さまざまな研究結果
2006年に『Journal of Investigative Dermatology』は、驚くべき研究結果を発表しました。20年以上に渡り、27,000人以上の若い男性を対象に調査を行った結果、喫煙者の方が、重度のニキビに罹る比率が遥かに低かったというのです。
他の研究では、喫煙習慣は、女の子よりも男の子にとってニキビの原因となりやすいとしています。またその反対の研究結果もあります。2001年に発表された研究では、喫煙者の方がニキビを発症するケースが多く、またより多くのタバコを吸う人ほどニキビの症状がひどいとしています。
直近の2009年に発表された研究では、喫煙とニキビ(特に非炎症性のニキビ)には強い関連性があると結論づけています。
つまり、これらのエビデンスは互いに矛盾するものであり、「喫煙はニキビの原因となるか?」という質問に答えるためには、より信頼できる研究結果を待たねばならないということです。
喫煙はどうしてニキビの原因となるのか?
健常な免疫システムと持ち、ホルモンのバランスが安定している人は、ニキビを発症する可能性が低いと言えます。しかし喫煙習慣は、免疫システムやホルモンバランスを乱す可能性があります。
タバコには600種類以上の添加物を使用することが認可されています。しかし、タバコに火をつけると、これらの添加物は、タバコの煙の中に7,000種類以上の化学物質を作り出します。その少なくとも70種類はガンの原因となることが分かっています。これが肌にとって良い話であるはずがありません。
また、喫煙が皮膚細胞に悪影響を与えることについては、すべての研究が一致して結論づけています。
【タバコが肌に与える悪影響】
- 血管を収縮させる
- 煙に含まれる化学物質が毛穴を詰まらせる
- 煙の毒素が細菌感染を促進
- ホルモンバランスを乱して過剰に皮脂を分泌させる
血管を収縮させる
皮膚に栄養を行き渡らせる血管を収縮させる他、タバコの煙に直接触れる肌の表面にダメージを与えます。また多くの病気に繋がりかねない炎症を体内に引き起こします。他にも、傷の治癒を遅らせる働きがあります。これはニキビが原因の傷もしかりです。
煙に含まれる化学物質が毛穴を詰まらせる
タバコの煙に含まれる化学物質は、毛穴を詰まらせる原因ともなります。毛穴が詰まると、皮脂と死んだ皮膚細胞が毛穴の中に閉じ込められてしまい、毛穴の黒ずみの原因となります。
煙の毒素が細菌感染を促進
煙の中の毒素が細菌感染を促進し、ニキビを悪化させる原因ともなります。
ホルモンバランスを乱して過剰に皮脂を分泌させる
喫煙がホルモンバランスを乱すことが挙げられます。身体を健康に保つ上で、ホルモンのバランスは非常に重要な要素です。喫煙によりホルモンバランスが崩れると、皮脂腺が過剰に皮脂を分泌させ、毛穴を詰まらせる原因ともなります。
喫煙者特有のニキビ
25歳から50歳までの1,000人の女性を対象に行われたある調査では、全体の40%以上の女性はニキビ患者であり、10%はまったくニキビのない女性でした。上記の40%は全員喫煙者だったの対し、ニキビのない10%は全員非喫煙者でした。
この喫煙者特有のニキビは、非炎症性ニキビ(NIA)と呼ばれます。非炎症性ニキビの大半は、黒ニキビや白ニキビと言われるものです。つまり、喫煙がニキビの原因となることは立証されていませんが、ニキビに好影響を与えることはありえません。
喫煙は老け顔をつくる
喫煙が肌の見た目を悪化させることについては、すべての医師たちが同意しています。喫煙は、肌の皺や早期老化と密接な関連性があります。コラーゲンの生成を阻害し、活性酸素を発生させ、皮膚内のたんぱく質を劣化させます。これらはすべて肌の早期老化の原因となります。
結局のところ、喫煙はニキビの原因であるのか? はっきりと答えることはできませんが、もし自身の外見を気にかけており、肌の早期老化や皺が心配な方は、禁煙を真剣に考えるべきでしょう。
この記事を読んだ方には、どんな方法でも良いので禁煙に挑戦して欲しいと思います。ニキビが良くなる可能性がありますし、禁煙は生活の質を向上させます。