ビタミンB6でニキビケア!ビタミンBの摂り方と注意点

公開日: : 生活習慣・サプリ

ビタミンB6は、ニキビの予防や治療のために重要な栄養素です。しかしビタミンB6の過剰摂取は、ニキビの悪化につながります。

概要

  • ビタミンB6は日常生活に欠かせないビタミンである。
  • ニキビ予防のために接種するビタミンB6は少量で良い。推奨摂取量は、女性は1日1.9mg、男性は1日2.4mgである。
  • 1日3食、ビタミン強化された精白小麦粉を使った料理を食べれば、ビタミンB6の1日の摂取量は足りる。
  • 北米以外に住んでいる方は、精白小麦粉から十分なビタミンを得ることができないかもしれない。その場合は、果物か野菜を5単位、もしくは内臓肉を日常的に食べることで必要な量のビタミンが得られる。
  • ビタミンB6の摂取は、月経前にできるニキビのケアに効果的である。この治療法は、月経周期が短い女性にはとりわけ効果が高い。男性や閉経を迎えた女性には、ビタミンB6によるニキビ治療は効果がない。

ビタミンB6とは?

ニキビ治療の観点から見ると、ビタミンB6(ピリドキシンとも呼ぶ)は皮脂の過剰な分泌を抑える作用があります。ビタミンB6の欠乏症(けつぼうしょう)は稀ですが、もしかかってしまった場合は、皮膚全体が黄色い粘着質の皮脂で覆われることになります。こうなるとニキビはさらに悪化します。

ビタミンB6は水溶性ビタミンのため、日常的に食生活に取り入れないと、ニキビ治療に効果がありません。というのも、サプリメントでたくさん摂取したビタミンB6を身体は吸収することができますが、余剰分はたったの2~4時間で便、唾液、尿など共に排出されてしまうからです。24時間が経つ頃には、前日に摂取したビタミンB6はほとんど残っていません。ですので、毎日摂取する必要があります。

アメリカやカナダでは、シリアルやパンの材料となる小麦粉に、ビタミンや鉄分が多く配合されています。そのため、アメリカでは、皮脂の過剰分泌の症状が見られるほど深刻なビタミンB6欠乏症の症例は稀です。しかしヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国などに住むほとんどの人々は、1日の最低摂取量の80%しかビタミンB6 を摂取できていません。もし油性肌の人は、手始めにビタミンB6のサプリメントを摂取するのが良いかもしれません。

健康な肌を保つために十分なビタミンB6を摂るには?

精白小麦粉を作る際に、ビタミンB6は胚芽と共に小麦粉からほぼ失われてしまいます。そこでアメリカの製粉メーカーは、ビタミンB6を小麦粉に再び加えているのです。普通に店舗で販売されているパンを2、3枚食べるだけで、北米の人々は十分なビタミンB6を摂取し、油性肌によるニキビや、脂漏症、ふけ、間擦疹(皮膚が擦れる場所にできる湿疹)、唇のひび割れ、結膜炎など、ビタミンの欠乏から生じる症状を予防することができます。

もしあなたがアメリカかカナダ以外の地域に住んでいるのであるなら、一番の得策は自然食からビタミンB6を摂取することです。これは簡単ではありませんが、例えば以下のような方法があります。

  • 40gのトウガラシもしくはパプリカは、成人のビタミンB6の一日所要量を含む。
  • 100gのハート・オブ・パーム(ヤシの新芽)は、成人のビタミンB6の一日所要量の3分の2を含む。
  • 皮つきジャガイモを使ったベークドポテト1皿は、成人のビタミンB6の一日所要量の3分の1を含む。
  • 50gのドライプルーンもしくはドライアンズは、成人のビタミンB6の一日所要量の3分の1を含む。
  • 84gの鶏肉もしくは冷水魚は、成人のビタミンB6の一日所要量の4分の1を含む。
  • 1本のバナナは、成人のビタミンB6の一日所要量の5分の1を含む。
  • 葉物野菜にもビタミンB6は豊富に含まれる。ただしホウレンソウのサラダを1カップ食べても、成人のビタミンB6の一日所要量の5分の1しか摂れない。

果物、野菜、肉を使った伝統料理の多くには、十分な量のビタミンB6が含まれます。しかし好き嫌いの多い方や、ビタミン強化小麦粉を手に入れることができない方は、欠乏症を発症してもおかしくありません。

ビタミンB6は、他のビタミンBの作用をサポートする

ビタミンB群は、さまざまな酵素の補酵素として働きます。ビタミンBは、酵素の構造内部に自らを“差し込む”ことで、皮膚や体内で作用すると言っていいでしょう。

酵素は多くの種類が組み合わさることで、細胞や組織や臓器の内部で役割を果たします。必要な酵素がすべて揃っていないと、プロセスが完了しないのです。そのためには、必要なビタミンBのすべてが揃う必要があります。

  • ビタミンB6が足りないと、葉酸がホモシステイン量を抑制することができなくなり、皮膚や循環器系の炎症が起こりやすくなります。
  • ビタミンB6が足りないと、ニコチンアミドがコレステロール量を調整できなくなり、赤ら顔の原因となる皮膚の炎症が起こりやすくなります。
  • ビタミンB6が足りないと、鬱病や炎症を抑制する役割を持つB12が機能できなくなります。

肌のケアに必要なビタミンB6は少量で良い

健康上の問題の中には、多量のビタミンB6摂取を必要とするものもあります。例えば、腎臓結石の予防治療にビタミンB6を使用する場合は、1日100mgを摂取する必要があります。脳機能の促進には1日75mgが必要です。つわりの治療には1日10mgが必要です。しかしニキビ予防のためには、女性の場合はたったの1.9mg、男性でもたったの2.4mgのビタミンB6を摂取すれば良いのです。

この少量のビタミンB6が、他のビタミンB群が補酵素として働くために不可欠なのです。

  • ビタミンB6が足りないと、葉酸がホモシステイン量を抑制することができなくなり、心臓病のリスクが高まります。
  • ビタミンB6が足りないと、ビタミンB3(ナイアシンとも呼びます)が不足します。
  • ビタミンB6が足りないと、鬱病を抑制する役割を持つB12が機能できなくなります。

ビタミンB6で生理前にできるニキビをケア

一般的に、男性はビタミンB6を摂取してもニキビを改善することはできません。また閉経を迎えた女性にもビタミンB6は効果がありません。

しかし生理前にニキビができる女性については、、ビタミンB6サプリメントの摂取が驚くほど高い効果を示すことがあります。とりわけ排卵後すぐに月経が起こる黄体機能不全を持つ女性には高い効果があります。これらの女性は、1日250mgのビタミンB6および200mgのマグネシウムを、6カ月間を一区切りとして(6カ月摂取し、3カ月休む)摂取することで、月経前のニキビや、気分変動、体液貯留、頭痛などの月経前症候群(PMS)の症状を抑制することができます。

しかしビタミンB6を摂取すべきでない女性もいます。男性もしかりです。もし顔に赤みを持つ人の場合、ビタミンB6の過剰摂取は、皮膚内部のニコチンアミドの働きを阻害してしまうので、さらに症状を悪化させることになります。男性はニキビ治療のためにビタミンB6を摂取しても効果がありません。顔に赤みを持つ女性は生理前のニキビの治療のためにビタミンB6を摂取してはいけません。


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